体内時計とは！？
昔から、”睡眠リズム（夜になると前途眠くなる。朝になると目覚める。など）”を
創出する上で、重要な役割を担っているのが「体内時計」という要素といわれていました。
ただ、昔はあくまでもイメージ的な要素（概念）として、体内時計が語られて
いたわけですが、現代は、「遺伝子解析技術」など新しい科学技術の創出・発展
によって、もっと具体的な存在として、「体内時計」が具体的に位置づけられるようになって
います。
また、都市生活者において「体内時計の狂い」に関連した新たな疾病・心身不良なども
の存在が指摘されるようになりました。
今までは、あまり意識することなく済んでいた生態機能としての「体内時計」ですが、
現在では、心身の健康を維持していく上で重要な要素として、しっかりと意識しておくことが
大切となっています。
体内時計は「時計細胞」によって、創出されている体内機能。
近年、様々な視点から新しい技術による研究が進む中で、「体内時計」という仕組みは
「時計細胞」によって形作られていることが判ってきました。
同時に、遺伝子研究技術
によって、この時計細胞の中には、多様な「時計遺伝子」の存在が見つかっており、
この遺伝子によって、時計細胞が創出されている実態が明らかとなっています。
現在、”時計遺伝子”は「20種類程度」の存在が確認されているようですが、まだまだ
研究途上の要素・・今後もっと数多くの時計遺伝子が発見されてくる可能性がありそうです。
時計遺伝子が作る「時計タンパク」
”体内時計”と呼ばれていますが、時間を”一秒・一分”を刻むことで「概日リズム」を
作っているわけではありません。
実際の仕組みとしては、時計遺伝子が「時計タンパク」と
呼ばれる成分を作り出すことによって、時が刻まれています。
この”時計タンパク”が「創出」され、そして
全部「消滅」するまでの１サイクル（周期）が「約24時間」となっており、このサイクルを
日々繰り返すことで、体内時計が形成されているのです。
まだ、研究途上の要素ですので、詳細な働き・関係性はこれから徐々に解明されていく要素が
増加していくものと思われますが・・。
現時点では”体内時計の狂い”というのは、「時計遺伝子の一部分に異常が発生
することによって、もたらされる要素」と考えられています。
体内時計の狂いを調整する役割を担うのが「朝の陽射し」
”体内時計”が狂うことで発症する疾病は、多種多様化傾向を示しています。
現代社会では、
生活習慣が乱れることも多く、年々”体内時計の狂い”に関連した悩みを持つ人も増えている
のではないでしょうか。
ただ、本来は”体内時計の狂い”を再調整する役割は自然界の中に存在しており、
薬などに頼ることなく十分是正できる要素となっています。
そんな体内時計の調整の役割を
担っている要素のひとつが「朝の陽射し」です。”朝日”を全身で浴びることによって、体内時計が
修復・調整され本来あるべく状態と是正されていくのです。
ちなみに、現在、医療用として「朝の太陽光と同じ光成分（波長）」を有する人工照明が開発されています。その光を照射することによる
治療（体内時計の補整）も行なわれています。
「夜になったら休息」のリズムが「遺伝子」に存在。
生物の進化過程を考えてみると、”人”という生物は、「視覚」を最も活用した
生活行動を有していました。
それゆえに、日中に”獲物獲得”など活動的な行動
を行ない、日が沈み夜になると休息行動へと移る・・それが最もシンプルな
生き方だつたんですね。
ただ、知能が発達、文化文明を築くと共に、「照明」を発明・・夜間でも、”視覚”
を活用して行動できる環境を作り上げてきました。
それゆえに現代では、人は「夜間も
行動する」のが普通となっていますが、遺伝子レベルでは、まだまだ「夜間は休息するもの」
という情報が中心となっているようです。
近年の遺伝子研究の中からわかってきた要素”時計遺伝子”のひとつに
「ビーマル1」という遺伝子があります。
この”ビーマル1”は、脂肪を体内にため込むのを
サポートする働きがあることがわかってきました。
また、”ビーマル1”にも増減のリズム
が存在。18時以降増えていき、
22時から翌朝2時にピークを迎える・・そんなリズムを有しているようです。
このことからわかるのは、遺伝子レベルでは、現在でも「食事（夕食）は18時までに
摂取するのが理想的」ということを示しています。”夜間は休息の時間”であること
は、遺伝子レベルに刻まれているということなんですね。
